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輸出書類であるインボイスの役目「サンプル付き」

こんにちは
ウメユキです。

海外へ商品を輸出する際に使用されるインボイスですが、実際にはどんな意味を持つのか。。。
実際のサンプルを例に解説していきます。
基本的なことは、この記事を読んでいただければご理解いただけると思いますので、
今日からあなたも実際にインボイスを作成できてしまいます!

インボイスとは

インボイスとは、商品の売主(輸出者)が買主(輸入者)に宛てた証明書類を意味します。
インボイスには下記3つの役割を持っています。
-納品書
-請求書
-明細書
海外貿易において契約通りの商品納入、請求金額に間違いがないか等を明示する事が重要です。
インボイスは売主が買主に宛てた証明書類ですので、これらの情報を
正確に記載する必要があります。

インボイスの種類

インボイスには使う目的やタイミングに合わせた数種類のインボイスがあります。

1.プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)
見積書の役割を持つインボイスで、売買契約前や次に紹介するコマーシャルインボイス発行前に
売主が買主発行する仮インボイスです。
買主側で輸入の許可を事前に取得したり、銀行への事前提出用途としても使います。

2.コマーシャルインボイス(Commercial Invoice)
通常のインボイスのことを指し売買契約後、商品の発送時に発行されます。
コマーシャルインボイスには
商品の注文番号、名称、個数、単価、総額、通貨単位、取引条件、原産国、納期、発行日、
インボイス番号等が記載されます。
税関での通関用としても使用されたり、買主への請求用としても使用されます。
本来インボイスが持つ役割のすべてを担うインボイスです。

3.シッピングインボイス(Shipping Invoice)
主に納品書の役割を持ったインボイスで、出荷案内等に使用されます。
コマーシャルインボイスで代用可能の為、使用頻度は少なく重要度も低めのインボイスです。

4.カスタムズインボイス(Cuustoms Invoice)
税関向け用のインボイスです。
買主(輸入側)が輸入する商品に適正な課税を決定がなされるために税関に提出する書類ですが、
こちらもコマーシャルインボイスで代用が基本的には可能です。
しかしイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、南アフリカ等
特定の国へ出荷を行う際に、買主からの依頼があれば売主が発行します。

5.コンシューラ―インボイス(Consular Invoice)
脱税防止などに使用され、輸入通関時に使用されるインボイスです。
Consular = 領事なので、輸入国の通関ではなく領事に提出される書類です。
輸出国に駐在する輸入国の領事のビザを必要とし、
こちらも買主からの依頼があれば売主が発行します。

インボイスサンプル

それではさっそくインボイスを使って記載すべき項目を確認しましょう!

① インボイス種類
先ほどご紹介した通り、インボイスの種類によって表記を使い分けます。
例えば見積書目的であれば、"COMMERCIAL""PROFORMA"に書き換えて使用します。

② SHIPPER / EXPORTER
貨物の輸出者を記載します。
住所、電話番号等の情報も併せて記載

③ CONSIGNEE
輸入者情報を会社名、住所、担当者、電話番号情報等を記載します。

④ NORTIFY PARTY
貨物の到着案内連絡の通知先欄です。
一般的に、CONSIGNEE(輸入者)と貨物到着案内の通知先は同じ事が多くそういった際には
"SAME AS CONSIGNEE"と表記します。
例えば、輸入者が貨物の管理を第三者に委託している場合などは、
この欄に第三者の会社名情報等を記載します。

⑤ TERMS OF DELIVERY
貨物の受け渡し条件を表記します。

⑥ FLIGHT DATE
貨物の出荷日を記載

⑦ INVOICE NO.
インボイス番号を記載

⑧ ISSUED DATE
インボイス発行日を記載

⑨ COUNTRY OF ORIGIN
原産国を記載

⑩ TERMS OF PAYMENT
支払い条件を記載
T/Tとは Telegraphic Transfer = 電子送金の略です。
他の支払い方法として、L/C(信用状)決済等の荷為替手形決済が存在します。
ここの例で記載している"T/T 30Days after Shipment Month"は、
出荷した月の翌月30日間までに電子送金にて支払いということを意味しています。

⑪ SHIPPED PER
船便、空輸便等の輸送方法やFlight番号等を記載します。

⑫ REMARKS
特記事項があれば記載します。
サンプルには
Freight Collect = 運賃後払い
Excluding insurance = 海上保険は掛けていない
等の事項を記載しています。

⑬ CASEMARK
各梱包毎にケースマークを割り振っている場合はそのマークを記載します。

⑭ 出荷品内容
貨物の内容を要約する場所です。
輸出者、輸入者の双方が分かるよう注文番号や、名称、型式、金額情報等を記載します。

⑮ Packing details
貨物の重量情報を記載します。
NET Weightとは梱包材等の重さを除いた商品本体のみの重量
GROSS Weightとは梱包材等の重さを含めた商品本体+梱包材の総重量
>>>貨物の数量が多い時には、Invoiceでは表記せず別書類のパッキングリストに
重量情報等を纏めることがあります。

※パッキングリストの詳細はこちらをどうぞ

⑯ 輸出者サイン
担当者のサインを入れる欄です。
サインすることでインボイスに記載されていることに責任を持つということを意味します。

No Commercial Valueを使って出荷を行う

海外へ物を発送する際に販売目的ではなく、
サンプル品の無償提供や修理品の再発送といった無償品を輸出する場合があります。
そういったケースでは、インボイス上に
"No Commercial Value. Value for Customs Purpose Only."
の表記を入れましょう。
※下記サンプルをご参照ください。

この表記を入れる理由には
・貨物の受取人に対して、この商品は無償で送ったので送金が不要であることを明示するため
・海外の一部の税関で無償品のの関税が免税となったり優遇されるため 等の理由があります。

まとめ

インボイスは海外へ物を出荷する際に使用される非常に大切な書類のひとつです。
記載している内容に誤りや虚偽があれば、
通関時に輸出許可が下りず、物がストップすることもあります。
フォーマットは様々あり正解は一つではありませんが、必要なポイントを押さえ、
内容を正確に記載することで、通関申告をスムーズに行うことができます。
是非サンプルを参照いただき、新規で作成、より良い書類の為に変更を加えてみて下さい!

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