こんにちは
ウメユキです。
会社で仕事を行っていると、業務の引継ぎを受けたり引継ぎを行ったり何らかの形で業務の移管が発生する場面があります。
そんな時にあれば便利なのが、業務マニュアルです。
今回はマニュアルを作成のコツを100以上のマニュアルを作成してきた立場からご説明します。
マニュアル作成のメリット
マニュアルを作成することで得られるメリットは様々あります。
時間効率を上げられる
引継ぎ時間、育成時間の短縮が大幅に見込めます。
例えば、業務自体はすごくシンプルで誰でもできるパソコンの入力作業だけど、入力項目が多岐にわたってそれなりのチェックポイントがあるような業務の場合、
その作業者に一つ一つ教えていると、莫大な時間が奪われてしまいます。
しかし業務マニュアルに沿って作業を進めてもらい、わからないところがあれば聞いてもらうようにすると、引き継ぐ側の時間をかなり省略することができます。
仕事が人に依存しなくなる
この仕事は○○さんしかやったことがないから他の人がやることはできない。
業務が仕事をできる人に集中してしまい、同じ組織の中でこの人は仕事量が多くあって毎日残業だけど、この人は余裕のある仕事量で毎日定時退社...というようなことを業務マニュアルがあると仕事を平準化し防ぐことができます。
業務を複数人でカバーできる
上記の仕事が人に依存しなくなるとも一部被りますが、業務マニュアルを作成し共有することで急な病欠や繁忙期のフォローなど業務を複数人でカバーできる体制作りを目指せます。
最悪のケース、あの人しか知らない業務がありその人が急に会社を辞めるようなことになれば、仕事を行うことよりその仕事の原状復帰にかなりの労力と時間を割くことになり、業務マニュアルがあればなぁと後悔することになるかもしれません。
マニュアル作成のデメリット
逆にマニュアルを作ることでデメリットも同時に存在します。
マニュアル作成に時間がかかる
マニュアル作成にはそれなりの時間がかかります。
人が見てわかりやすく、理解してもらうように作成していくには、どういったことに気を付けた方が良い、ここは重要ポイントだから強調したほうが良い と色々と気を使いながら進める必要があり、それには時間も労力も掛かります。
更新作業が必要となる
仕事内容に変更があれば、それに合わせてマニュアルの更新を行う必要があります。
その都度なのか、定期的なのかはそれぞれの都合や実態に沿って運用となりますが、マニュアルは一度作ってしまえばおしまいというわけではなく、作成以降も見直しが必要となります。
マニュアル作成のコツ
ここからは実際にマニュアルを作成する際にどのようなポイントを意識すべきか見ていきましょう。
フォーマットを統一する
複数のマニュアルを作成する際は、同じソフトを使いフォーマットを統一させましょう。
フォーマットを統一することで読み手は注意すべきポイントを察知しやすく、マニュアルのクオリティが安定します。
- ワード
文章作成やレポート作成に適しているので、文章が中心のマニュアルに向いています。
目次の自動作成機能があり、図、表、写真の挿入可能
※注意点: エクセルに比べると図等の位置調整といった点で自由度が低い
- エクセル
表やリストが多いマニュアルに向いています。
図等の位置調整やレイアウト調整が容易であり、フローチャート作成には最適
※注意点: 編集画面と印刷後の見え方が違う場合があり、紙出力する場合は微調整が必要
- パワーポイント
アニメーションなどの活用でデザイン重視のマニュアルに向いています。
図等の位置調整やレイアウト調整が容易
※注意点: プレゼン用ソフトの為、説明が途中でも1ページ毎に区切りをつける必要がある
それぞれにマニュアル作成にとって良い点と悪い点があります。
ぼく個人的には慣れているのであればワードが良いんじゃないかと思っていますが、ワードが不慣れや図や写真を多く使いたい場合はエクセルやパワーポイントでも全く問題無いと思います。
マニュアル作成の目的を明確にする
- いつ活用するマニュアル?
まずはそのマニュアルがいつどのような場面で活用されるべきかを考えましょう。
いつ使われるべきか不明瞭なマニュアルは恐らく使われることはありません。
タイトルを付けることも重要ですし、どういった際に使われるのか冒頭で説明を加えると最初に目的を確認でき、後の内容がスーッと入ってきます。
- 誰に向けたマニュアル?
誰に向けたマニュアルなのか、読み手の立場を意識して作成することが重要です。
作成者はその用務に関して精通しているかもしれませんが、マニュアルを手に取るのは初心者である別の人です。
作成者にとっての当たり前 = その作業を初めて行う人の当たり前 ではありません。
過剰すぎるほどの丁寧な説明を加えることで、人によって理解度が異なるということを避けることができ、業務の安定化につながります。
- 何をゴールとするマニュアル?
最終的な達成基準を明確に表記しましょう。
どんなに丁寧に説明を続けても、最後の部分でどうなればよいのかが表記されていない、もしくは曖昧になってしまっていると、読み手としては"これで良いのか?"と疑問に思うようなマニュアルになってしまいます。
この業務が完了できる達成基準はわかりやすく、明確に表現することを意識しましょう。
マニュアル作成意識すべきポイント
- 仕事の全体像(フロチャート)を一緒に記載する
業務マニュアルと一緒に準備したいのが、フローチャートです。
フローチャートとは業務やシステムにおける各プロセスや工程の流れを記号で表記し、流れを矢印でつなげて視覚化した図の事です。
このフローチャートを業務マニュアルとは別に付けることで、作業者が今どこの工程にいて、どのような行動を次にするべきかがわかります。
※下記フローチャート例
- 判断基準を明確にする
エラー基準を明確にし、どうなったらOKでNGなのかをはっきりと記載することが重要です。
良くあるOK例とNG例を添えて記載しておくと、作業者もどうなれば良いのか、悪いのかの判断が容易になります。
- 図表や写真を使用する
やはり文章だけでは伝わらないことが多く、実際の作業写真や図、表を使用することでイメージがしやすくなります。写真を貼りつけてその画像の上からコメントを付ける等の工夫で格段にわかりやすいマニュアルになるでしょう。
- アドバイスや注意点は強調して使う
どうしても間違えてほしくないポイントや、ここは必ずチェックが必要といったタイミングがある際はマニュアル上でも同様に、他の文章の文字サイズや文字色とは区別をつけて、強調するようにしましょう。
吹き出しや図を挿入してコメントを付けることでも視覚的効果を得られます。
変化の無い文体ではどこに注目すべきなのか読み手にとって取りこぼしてしまう原因となりますので、重要な部分は他との差別化を行いましょう。
マニュアル作成後の運用
マニュアル作成お疲れ様でした!
しかし、マニュアル作成は一度作ってしまえば終わりではありません。
作成後も使用者がいる限り、アフターケアも必要となります。
- 使用者にヒアリングを行う
マニュアル作成直後は作成者の主観がどうしても強く残る傾向にあります。
実際にその業務に精通していない人の協力を得て、一度マニュアルを見て作業を行ってもらい、わかりやすかったか、どういった点が良かったか、悪かったかなどの意見や改善点のフィードバックを貰いましょう。
作ったマニュアルへの改善点を加えられるだけでなく、次に違うマニュアルを作成する際の経験値として、どういった点に意識して作成していくべきか活かすことができます。
- 定期的なメンテナンスを加える
全体の仕事の流れや内容によって、実際の作業とマニュアルに開きが出てくる可能性があります。
仕事内容が変わるタイミングでは当然ですが、定期的な見直しを入れることで常に最新で質の高いマニュアルを維持することができます。
まとめ
マニュアルを作成することは、意外に時間と労力を消費します。
またアフターケアとしてマニュアルを更新し続けることはデメリットに感じますが、手を加えてより良い状態を保つことで、その人に直接指導しなくても仕事が回る状態、または作業者が急に抜けるようなことになってもマニュアルを見れば誰もが作業できるといったことを考えれば、メリットがはるかに大きくなります。
今までなんとなく作っていたマニュアルに抑えるべきポイントを組み込んで、より質の高いマニュアルの参考にしてみて下さい!